俺はいつも護られてた。
リボーンに護られて
ヒバリさんに扱(しご)かれて…
骸に支えてもらってた。
でも今の俺は
10年前の俺とは違う。
俺もそれなりに強くなった
助けを呼ぶだけの子供ではない
沢田綱吉として
ボンゴレ10代目として…この場に立っているんだ。
その強い想いを…
静かに。
しかし、確実に動き始めるミルフィオーレ。
これをボンゴレが、俺が見逃してはいけない。
だから、この作戦を決行しなければならなかった。
皆を危険にさらしてしまうのは
とても心がイタイ…
「ねぇ。骸にはこのことを話さない気?」
雲雀さんが
壁に寄り掛かったまま俺に問いかけてきた。
…確かに、俺と骸はよく組んでいた。
争いごとになっても、背中には常に骸がいて。
だから安心したし
目の前のテキに集中できた。
『怪我はありませんか?綱吉君』
やさしく微笑む骸が、頭をよぎる。
「…心配かけたくないんです。
その前に、言ったら絶対反対するだろうし、だから…」
骸には悪いけど…話したくないんだ。
だって、お前がどんな顔で
俺を見て
怒って
叫んで
泣くのか、わかってしまうから。
「ふーん…。君がそれでいいなら僕は構わないけど…」
「ありがとうございます。雲雀さん」
「僕はアイツのこと、気に入らないから別に良いけどね。」
興味無さそうに目線を俺から離した。
彼なりに、心配してくれたんだろう…
ヒバードを指に乗せて、遊んでいる。
羽を羽ばたかせるヒバードを見て
俺は少しだけピリピリしていた表情を和らげた。
「…クスッ 相変わらずですね。」
口元に手をもって行き、声を押さえるように笑う。
思いっきり笑ったら、雲雀さんにかみ殺されそうだ。
雲雀さんに微笑んでいると
視線を戻してきた。
ヒバードが
雲雀さんの指から肩に飛び移る。
獲物を捕らえたような雲雀さんの眼に、昔より少しだけなれた。
「…………綱吉。」
「ん?」
「参考程度に聞きなよ。」
「…なんですか?」
突然、先ほどよりも少しだけ声を低くして。
身が引き締まる思い…
「もし、僕がアイツと同じ立場だったら…
僕は君の優しさを嫌うよ。」
「っ、雲雀さん…」
“アイツ”
雲雀さんのいう骸のこと。
嫌悪
雲雀さんの表情から
そんな言葉が頭をよぎる。
俺は、骸の為にこの作戦を話さないんだ。
いや、違う。
これは単なる俺の“逃げ”だ…
雲雀さんは、それに気づいている
骸を想う俺の気持ち
俺を想う骸の気持ち
巻き込みたくない。
でも、結局は巻き込んでしまうだろうこの作戦。
「大切だから護りたい。
傍にいたい。
支えたい。
だから、どんな些細なことでも
教えて欲しいと願ってしまう。
たかが1つのマフィアのボスだ。大したことないよ。
でもね、キミはただのマフィアじゃないんだよ、綱吉。
マフィアの中でも恐れられている“ボンゴレ10代目 沢田綱吉”だ。
そんなキミが大きな肩書きに潰されないように
壊れてしまわないように…骸は綱吉、キミを大切にしてるんじゃないの?
君を失わない為にも、ね」
いつも他人に無関心な雲雀さんは今日はよくしゃべる。
それも、骸の立場となって言うなんて、思ってもいなかった。
…なんて言ったら怒るだろうな。
………
確かに、言われた通り
何一つ間違ってはいない、と思う。
筋は通ってるし、骸がそんな同じようなことを遠まわしに言っていた。
その時は何が言いたいのかさっぱりだったけど…
でもね、雲雀さん。
俺にも譲れない気持ちってあるんです。
「…それでもッ…それでも俺は、骸に言いません。
この極秘作戦は、このメンバーで行います」
俺と雲雀さん、そしてミルフィオーレに潜入している入江君…この3人でやりたいんだ。
ごめんね、
獄寺君
山本
クローム
了平さん
ランボ
イーピン
草壁さん
ディーノさん
フゥ太
ビアンキ
京子ちゃん
ハル
骸……
皆……
俺は皆を信じて、いいよね?
見ててよ、リボーン。
俺は、お前なしでもやって見せるさ。
「クスッ そこまで言うなら僕はもう何も言わないよ」
「ありがとうございます…雲雀さん」
ごめんね、みんな。
これしかないんだ。
だから、これから起こる事に耐えて。
全てが終わったらまず謝ることから始めようか。
骸は俺を殴るだろうか…
何を考えているんですか!!
ってね。
何度も殴られてやるよ、骸。
皆は泣くだろうか…
リボーンはあきれながらも、俺を見て銃を向けているだろうか……
さぁ、幕開けだよ……
END....
08,12,30
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あとがき
mixiで、マイミクさんとのメッセで生まれた会話文にちょこちょこと足して小説にしました!!
むくつな前提です!
なんで骸に話さなかったのか…ということから始まった会話文!
こんななればいいなぁ…という希望です★