藍染の誕生日を数日前に控えたある日、おれは一大決心した。
「ウルキオラ、おれ…藍染に誕生日プレゼントあげる!」
「一護様…」
ウルキオラは嬉しそう?っていうか哀れむような顔でおれの名前を口にした。
あ な た と の 距 離
「藍染!おれ、現世に行きたい!!」
ということで、藍染の所まで行った。
おれから藍染の所に行くのは多分…というか初めてな気がする。
なんでか知らないけど藍染は…涙ぐんでいる。
感動することでもあったのかな。
「い、一護が私をさそ…」
「ウルキオラと!!!!」
「……ウ!?(ウルキオラと!!??私とじゃないの!?)な、なぜ?」
「えっと……(どうしよう……何も考えてない!買い物…じゃ駄目だし)……しゃ、社会、見…学……」
考えてもこれしか出てこない。
しかもなんだ、社会見学って!
あやしいじやん、おれ!!
「社会見学……?」
ほら!あやしく思ってんじゃん!
いくら馬鹿な藍染でも嘘だってわかるよ!
だ、だめかな……
ハラハラしてたらウルキオラが一歩前に出て、
「はい。何事も小さい時から知るのも必要かと。虚圏では学べないこともありますし。」
「ウルキオラ…(サンキュー!ウルキオラッ)」
「現世で育った一護を?………まぁ、いいか。ギンみたいにデートじゃないし。」
あ、とうしろー達も現世に行ったんだ…。
ボソッ
「ちっ、その手があったか…」
「………ι」
「…ん?何か言ったかい、一護?」
「な、なんでもない。」
藍染の目が光った気がしたけど、放っておこっ!
なんか言われる前にここからはなれねーとな。
「じゃ、行ってくる!行こうぜ、ウルキオラ!!」
「はい。」
踵をかえすウルキオラは前をとたとたと歩く一護の後を追う。
「あ、ウルキオラ待ちなさい…。」
「…はい。」
扉の前で待つ一護に先に戻って準備するようにいうと、嬉しそうに笑みを見せて行った。
はぁ、重いため息一つして振り向く。
「なんですか?」
心底面倒臭そうに声を出せば、藍染はウルキオラに近づき、懐からこれみよがしに相当な数の札束を出してきた。
もちろん全て諭吉さんだ。
藍染は重みのあるその分厚い札束で、ウルキオラの腕に嫌みのようにペシペシと叩きはじめた。
ぺし、
ぺし。
「いいかい?一護が欲しいというものがあったら惜・し・み・な・く!買ってあげるんだよ?」
「………(イラッ)」
バッ
と音をたてながら、藍染から札束を奪い、藍染の頬を
バシンッッ!!!!
「わかってますよ」
見下すような目で、思い切り叩いた。
跡でも残ってしまうのではないか、というほどに。
踵を返し、その場を去っていってしまった。
グスッ
「………(イ、イタイ…)」
一方、一護の方と言えば…
(藍染、ウルキオラに何の用なんだろう…)
「うーん…なぞだ。」
藍染とウルキオラのやりとりを知らずに…
考えながら歩いていると、後ろから足音が近づいて来た。
「一護様ーーーv」
「ん?」
足を止めて振り向けばロリが笑顔で走って来た。
手には何かを持っているが…何なのかはわからない。
「お、ロリ!どうしたんだ?」
「一護様の為に繕ったんです☆是非着てください♪
日番谷様と(靴が)色ちがいのお揃なんですv」
「へー♪ありがとうな!」
ロリの趣味や腐女子の妄想の塊が積み込められているものだと知らずに
一護はロリから服のセットを受け取り、宮に戻って行った。
「一護様お待たせ致しました。準備は終わりましたか?」
滅多に義骸に入らないせいか、ウルキオラは不機嫌そうに皺がよせている。
「おー!」
ベッドの上にいた一護はそこからおりてウルキオラに近づいた。
「それでは行き、ま……………」
自宮に着いてから初めて一護を見て固まった。
流石ロリの趣味、といったところだろう。
その服は女の子を思わせるような…そして"あ"のつく変態が鼻血を垂らしそうな足の露出度。
「?ウルキオラー、どうかしたか?」
しかも一護本人は無自覚ときた。
「い、一護様…下は何も身につけてないんですか?」
「んな訳ねーって!」
ほら。
ヒラリ、めくり上げて短パンを見せた。
大胆な行動に目を丸くするが、サッサッと元通りにした。
一見冷静なウルキオラだが、一護がいなければ鼻血を垂らしかねない。
「はぁ…大胆ですよ、一護様!短パンはいているとはいえ…」
「……ウルキオラだから見せたんだぜ?おまえ以外だったらやらねーって」
「………一護様」
「ん?」
「…いつまでも冷静で居られると思わないでくださいね?」
襲いますよ?
小さな声で、しかし一護の耳にしっかりと届いた。
滅多に見せない妖笑を向けながら。
「…っ///
ウルキオラのバーカ!!」
顔を真っ赤にして、宮を出ていった。
現世
虚圏での発言でおれはウルキオラと少し離れていた。
絶対まだ顔赤いよ!!
でも、このまま買い物を続けるのはちょっと気まずい…
ふと、ウルキオラがおれの隣に立って
「少し冗談が過ぎました、申し訳ありません。」
何を突然…
目を丸くしてウルキオラを見るけど、なんだか気を使ってくれたみたいで、とても嬉しくて。
ふわりと笑んでウルキオラの手を取った。
「早く買い物しようぜ!」
「はい。」
(一護様にはまだ早かったか…ま、いずれ……)
オレは、ウルキオラの手を掴んで歩き始めた。
「なぁなぁ!これいいんじゃねーか?」
手に取ってウルキオラに見せた。
オジサンって言ったらこれしかねーだろ!!
「(育毛、剤!?)……え、いや…他のものがよろしいかと……(禿げてないし)」
「えー?……あ、これは??」
貴方の髪に艶を。
台風が来ても大丈夫★男のジェル
「…………」
「え、これもダメ?じゃー……」
数十分、選びに選んでアレにした。
ウルキオラもいいよって言ってくれたしな♪
で、その後…
ウルキオラが何か欲しいものがあるか?って聞いてきたから、本を買ってもらった。
あと、いつも服をくれるロリとメノリの為にぬいぐるみを選んで。
「また来ような、ウルキオラ!!」
「そうですね。今度は、誰かの為ではない時に。」
――その時には少しでも一護様と距離が縮まっているように…
END