「そういえば…もうすぐ藍染様の誕生日ですね」








ウルキオラがぼそりと呟いたのが始まりだった。




































ベッドでゴロゴロしている一護は顔だけを起こしてウルキオラを見た。







「あいつにも誕生日あったんだな…(やっぱり)」


「まぁ、あの方も一応人の子ですから。」


「人の子!?ぅわー考えたくねぇ…」


「(そこを否定ですか…)」





――藍染様、もはや人の子を否定されています。





まぁ、わからなくもない。

今まで自分に起こってきたあの藍染を自分と同じ人の子とみなしたくないんだろう。






「……一護様は何か差し上げるんですか?」


「え、何かあげないと駄目か?」


「いえ、一護様次第ですが…(貰えなかったら確実にいじけるでしょうね)」





この上ないうざさを目の当たりにするかと思うだけで疲れが増す。

いや、いじけるだけなら放っておけばいい。しかし…十刃や市丸等に八つ当たりする可能性がある。

そうなると直ちに非難しなければ…!!


ポーカーフェイスのウルキオラだが、小さくため息を漏らした。




チラリと一護を見ればあげるべきか相当悩んでいるようだ。






ブツブツ
「あげるべき?あげなかったら煩そうだし…あ、でもあげてもウザイだけだし。

それに、お世話になっているわけでもないし…というか世話になってんのはむしろウルキオラだもんなぁ……」






考える姿は可愛いものの、考えている事はかなり酷いものだ。






「…日番谷様は何か差し上げるようですが。」


「Σ本当か!?」


「はい」


「律義だなー………ん?…よく市丸が許したな。」


「市丸様の事です。一緒に買い物行けることが嬉しすぎて誰にあげるのかまで頭がまわらなかったのでしょう。」


「あはっ!単純ー♪なんか可愛いな、市丸。」





――可愛いのは一護様ですよ…。


ふわりと笑む一護に内心暴れ回る程萌えているウルキオラだが、顔や行動に出ることはないのは流石といえるだろう。




「じゃーウルキオラ、買い物行こうぜっ♪」


















待ちに待った………わけではないが、藍染の誕生日。






「俺からは、コレ。」





日番谷は市丸と現世で買ったそれを藍染に渡した。

嬉しさに「日番谷くん…」と、感激の声を漏らしながらカサカサと包みを取り払った。












      恋人に嫌われる10000の事柄

                〜重症なあなたへ〜







という本だった。




「………………日番谷くん、渡す相手間違えてない?コレは私よりギンにあげた方がいいのでは……?」


「いややなぁー藍ぜ…」


「全くもってその通りだが…」


「Σふ、ふゆーーー!!??ι」


「お前と一緒にされたくないな。こいつはお前ほど酷くない。」


「………なぁ、それフォローになってへんι」


「藍染、お前は異常だからな。(俺にも被害が及ぶし)」








市丸のことは無視。

一護は日番谷が自分の事を考えてくれていたことに嬉しくて飛び付いた。








ガシッ
「サンキュー!とうしろー♪」

「あ!!一護チャンアカンて!ふゆはボクのや!!!」


ガシッ


「2人してひっつくな!」



(やはり日番谷様はしっかりしているな…)




ウルキオラは、何をするわけでもなく、ただ呑気に3人を見ている。

だが、藍染はその頬笑ましい光景を妬ましく感じていた。

自分にもいつかそんな日が来ないかと考えているのだろう。

日番谷はなかなか離れない2人をそのままにして、藍染に視線を戻した。




「黒崎に好かれたいんだろ?だったらコレを読んで、まぁ…………(無謀だろうが)カンバレ?」

「なっ!とーしろー!?頑張らなくていい!がんばらなくていいから!!」






一護の声がこだました。













□■□■□■□■








「……で、おれからは……」

「!一護も何かくれるのかい!?ありがとう一護ーーーv」



まさかもらえると思っていなかった(自業自得)ので、嬉しさあまって両手を広げて一護に突進した。

がさごそと取り出そうする一護は気付かない。




スカッ




ウルキオラが咄嗟に一護を持ち上げてなんとか回避。







「でででで、何をくれるんだい?ま、まさか…一護っ…」


「はいっ!」






ウルキオラが自分に一護を渡してくれるとでも思っているんだろうか。

そんな願いが叶うはずもなく、一護の手には可愛い包みがあった。





「これは……?」


「体がバラの香りになるっていう…」


「わぁ、入浴剤か何かかい?」






鼻の下をのばしている藍染は期待を胸に中身を開いた。












「…………え?」












             加齢臭が華麗臭へ!
                 〜高級感漂うバラのかおり〜









「え、何?私ってそんなに臭いの?(か、加齢臭…?ι)」






ふと市丸と日番谷の方を向けば既に視線を逸らされている。

ウルキオラに目を移せば……






「!……まぁ、我慢できなくはない、です…」








気まずそうに目を泳がせていた。








「……(遠回しに臭いって言われたーーーー!!!!ι)」


「実はなー、もう一個あるんだー♪」







一護はまわりを一切気にすることなく、ごそごそと前にだした。



じゃんっ







必見!
これであなたの気になる体臭は薔薇のかほり
    〜加齢臭?え?何ソレ食べれんの?(癒されるラベンダーのかほり)〜






(((どっちの香り!?)))






「本当はどっちにしようか迷ったんだけどなー、プレゼントは1つより2つあると嬉しいだろ?だから両方買ったんだ♪」








悪気ゼロの一護の笑みに藍染は何も言えなかった。

自分が可愛がる一護からのプレゼントだ、粗末にできない。



もしこれが市丸からのプレゼントならば迷わず床に叩きつけるというのに…

悲しくて涙が出てしまうが、キチンと御礼だけはを言った。

涙が出るほど嬉しかったのかと勘違いをした一護は満面の笑みを浮かべていた。




そんな悲惨な誕生日の1日が終わろうとしたとき、






「藍染様。」





東仙が藍染にプレゼントを渡した。

初めて自分がもらって嬉しいものがそこにあった。






(そうだ!私には優秀で忠実な東仙がいたじゃないか!!忘れていたが。)






「と、東せぇぇぇ」






嬉しさあまって東仙に飛び付いた






ガッ
「ぇぇぇえぶっ!!」








………はずだった。








東仙に顔面を掴まれ、動く事すらできない。





「飛び付いて来ないで下さい、藍染様。

いつまでも黒崎君の尻ばっかりおいかけてないで、明日からはきっちり仕事をしてくださいね。大体、藍染様は…………」





そこから東仙の長い説教が始まり、藍染はその場で正座をさせられてしまった。


昨年までは雛森というちょっとストーカーくさい忠実な副隊長が盛大に祝ってくれたのに。


(ひ、雛森くんのような子が欲しい…っ)







藍染の願い虚しく


加齢なる29日は説教で幕を閉じた。





























〜おまけ〜

日「お前ってやることが残酷だよな。」


一「?本当は育毛剤をあげようと思ってたんだけどな、ウルキオラに止められたんだ。」


日「そりゃそーだろι」


一「えー、なんで?オジサンって言ったらそれだろ」


日「……そんなにヤバイのか?あいつ。」


一「おぅ!枕とか酷いんだぜ?」


日「Σ…マヂかよι」


一「においも重症なんだ!


















………想像だけどな。」


日「想像かよ!!」


一「うん。だって臭そうじゃん!(でもウルキオラはすっごい良い匂いしてるんだよなっ♪)」


日「やっぱりお前は残酷だな…(俺には考えられねーよι)」




END