久しぶりに来た現世はとても空が青かった。





















[手を繋いで]























廊下を一人トコトコと歩いている市丸が連れてきた元・死神

名を日番谷 冬獅郎

ツンツンと立っていた髪は下ろされ、幼さを感じさせてくれる。














「ふーゆーvV」







何とも言いようがない明るい声が日番谷の耳に届いた。

振り向いてみれば花を散らせている市丸の姿があった。

日番谷は足を止め、彼の方へ向いた。










「現世いこっ」


「・・・は?」









何の脈絡もなく・・・しかも拒否権はないらしい。

市丸は日番谷の背を押し、準備を急がせた。


日番谷は何が何なのか分からず、頭に?を浮かべつつ仕方なしに準備を進める。

義該に入れば肩が凝って仕方がないのか、いつもより眉が寄っている。














2人は現世に着くなり背伸びをした。

思わず欠伸がでそうである。

天気は快晴。雲一つ見当たらない。




「なんで、現世に行こうって言いだしたんだ?」




歩きはじめて数分後

日番谷はとうとう現世に行こうと言い出した理由を聞いてみる。




当然だろう。

ご機嫌に呼んでいると思ったらいきなり連れ出すのだ、理由も告げずに。









「なんかなぁ、一護チャンが冬位に小さくなってしまったん。」

「はぁ?なんでだよι」


「藍染はんって何か作っては一護チャンにやろうとしてたやろ?

今回ザエルアポロが作った薬で小さくなってん。」










と、日番谷にわかりやすく説明をしていく。


説明を終えると、日番谷の顔は呆れていた。

あほらし。そんな感じだ。











「で、服を買う、と」

「そっv(買い物という名のデートv)」

「じゃ、さっさと済ませて帰るか」








はぁ、と面倒そうに溜息をつくと商店街の中に入っていく。

後ろでショックを受けている市丸を置いて。











「なんで!?ゆっくりと・・・」

「コレ(義該)はあんま好きじゃねぇんだよ。ほら、さっさと歩け、市丸!」









トボトボと歩く市丸は買い物をやる気が失せてしまったようだ。

何しろ、目的が「冬とのデートv」だったが、見事に砕かれてしまった。

それを見かねた日番谷は市丸の後ろに回り、背中を押しながら進んでいく。









「ほら、日が暮れるだろ。」

「冬とのデート・・・」









もう、動かなくなってしまった市丸は依然として動かない。

背中を押していた日番谷は隣に並び、小さくため息をついた。













「・・・・また今度、な。」

「・・・・せめて手、繋ぎたい・・・」

「したら、サッサと買い物済ませるか?」















と、言いながら、照れくさそうに手を差し出す。

小さな手が見えた途端、市丸は素早く手を握った。


先程までの落ち込み様はどこへやら・・・

花、というよりはハートをまき散らしながらルンルンと歩きはじめた。






































〜日番谷視点〜




店に入ると、市丸が多くの服を見始めた。

市丸が選んでいる間、ぼーっと並べられている服を眺める。



現世の人間は多種多様の服を着るんだと思いながら見る。

その点、死神とかは楽だ。黒のあれだけで十分なのだ。

まぁ、今の白でも楽で好きなのだが。








どこまでも楽な道を選ぶ日番谷であった。










「ふゆー」と呼ばれ市丸の所へ行く。




「コレなんてどうや?」







と言いつつ、当てられたそれはパーカーのようだ。

しかし、異様に大きい

なんで俺を基準にすると思ったが、小さくなったあいつは俺位の背丈らしいし

仕方ないのだろう、と思う。












「でかくねーか?」

「ええのv」











ご機嫌になっている市丸を見るとなんだかほっとして

再び店の中をうろうろしてみた。

早く終わんないかな、と思いつつ、店から青い空を見上げた。





















ルンルンで多くの服を選んでいる市丸が

隣に日番谷が居ないと気付くのは選び終わった後。





(きっと冬に似あうやろなぁ・・・)





でれっとした笑みを見れば、誰もが110番通報をしてしまうだろう。


















脳内妄想をしていると、店の中にいる人間の話声が耳に届いたのか、

妄想が中断された。




(なんやの、もぉ!)




その話し声の方を向くと、女子高生らしい人が、何やらキャッキャしている。











「え、可愛くない?」

「一人かな。」

「声かけちゃおうよ!」










話している女子高生の視線の先には外を見ている日番谷の姿が。


殺気が徐々に増し、ぼーっとしている日番谷の手を握り

手に持っている山ほどある服の会計をさっさと済ませた。






(なんやの。ボクの冬見て・・・。射殺すで、ホンマに)






イライラしながら手を繋いで店を出た。

日番谷はいきなりどうしたものかと驚いているが、

市丸が殺気をむき出しにしているのはすぐにわかったようだ。






「・・・何苛立ってんだよ。」

「ボクの冬見とった。」







市丸の本来の目的である「冬とのデートv」が

見事に女子高生によって砕かれてしまったのだ。


それに、市丸の脳内に繰り広げられていた妄想も中断せざるをえなかった。





そんな事で?と思う日番谷だが、この男の嫉妬の深さはどうにもならない。





ぷぅ、と頬を膨らませて市丸は日番谷の手を握ったまま歩きはじめた。

それでも歩幅は日番谷に合わせている。

なんと器用な奴だろうか。









しかし、市丸がそうなるのも無理はない。

何を言おう日番谷は老若男女問わずモテるのだ。



その例がソウル・ソサエティ。






孫のように接する総隊長・山本。

やたらと“しろちゃん”なんて言って仲のよさを主張する5番隊の雛森。

その他一般死神・・・・など

あそこにいた頃は周りにいた者全員が敵であった為

毎日溜まっている仕事をよそに日番谷の様子を見に行っていた。



それも後で自分の副隊長に怒られようが構うことなしに、だ。








それに比べれば少なくなった方だが、それでも敵は多いのだ。


しばらく経ってもへそを曲げたまま

機嫌を直そうとしない市丸に溜息をついた日番谷はついに声をかけた。











「・・・なぁ。」







無言






「・・・市丸、また来ような」

「!・・・・2人でデート?」

「(・・仕方ないか)・・・・あぁ。

こんなちっさいことを気にしてんじゃねーよ。ほっとけばいいだろ、そんな奴らは。」









その瞬間、晴れたように元気を振舞い始める市丸。

いままで沈んでいたのがうそのように。






残りの時間を市丸に振り回されつつ、早めに虚圏へ戻っていった。

その顔は、とても気持ち悪いほどニヤニヤした笑みだった、と日番谷は語る。




虚圏に戻った日番谷は、

市丸が買った服に関してすまなさそうにウルキオラに謝罪し、去っていった。









































〜おまけ〜





藍「む。意外と早かったんだね、ギン?」

市「ムフフ〜・・・」

藍「(キモ!!)」←お前がいうな

市「冬がなぁ、今度デートしてくれるってゆうんv」

藍「へ、へぇ・・・良かったじゃないか。で、服は買ってきたのか?」

市「そらもう(冬が似合いそうな)可愛い服をたくさん!きっと気に入りますわ」

藍「どんなのを買ったんだい?」

市「・・・・クリーム色の長めのパーカーですわ。」


市&藍「・・・・・・・・」(想像中)
























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